ケンネルコフでは全ての症例で治療が必要なわけではありません。時間の経過と免疫力の向上により自然治癒することが多いからです。しかし、過度な咳によって起こる気道の継続的な刺激を最低限にするため、少なくとも7日間の安静、特に運動や興奮は避けたほうがよいでしょう。また、あまりに咳がひどい場合(湿性の咳や聴診で肺に滲出液の貯留が疑われるときを除く)には鎮咳薬、いわゆる咳止めや抗生剤の内服投与が実施されます。PCR検査によりBordetella(気管支敗血症菌)の感染が確認されている場合は最低でも2週間、場合によってはさらに長期の投与が必要になることがあります。
再発症例や慢性化症例にはネブライザー(噴霧吸入療法)という治療を実施することがあります。これは抗生剤などの薬剤を機械を使って霧状化、吸入させて気管に直接薬剤を届ける方法です。