軟性内視鏡を導入しました!

こんにちは。アニマルケアガーデンです。先日はワンちゃん、猫ちゃんが食べてはいけないもの(中毒を起こすもの)についてお話させていただきました。今回はその続きで、異物についてのお話と新しい機械を導入しましたので合わせてご紹介します。

 

早速ですが、クイズです。これはある異物を食べてしまった子のレントゲンです。

特に嘔吐や食欲不振といった症状もなく、元気に過ごしていましたが、健康診断で偶発的に見つかったものです。オーナーさんも心配ということなので催吐処置も行いましたが、胃内のご飯は吐いてくれたものの異物は出てきませんでした。

 

何を食べてしまったでしょうか。

  • ゴム製のオモチャ
  • 梅干の種
  • 1円玉
  • スーパーボール

 

正解は…。

 一円玉でした。

普段硬貨を見ても気にしている素振りは無かったのになぜ一円玉なんて飲み込んだのでしょうか?

その謎は解けませんが、1円玉が摘出されてオーナーさんも安心していました。良かったですね。

ワンちゃん、猫ちゃんはちょっとした隙に「何故そんなものを?」というものを食べてしまうことがあります。多いのは鳥の骨やトウモロコシの芯、焼き鳥の串、果物の種など味や匂いが付いているものです。手の届くところにあるとついつい食べてしまう事があるようです。他にもヒモやタオル、靴下などの布類やワンちゃん用、猫ちゃん用のおもちゃなどを遊んでいるうちに飲み込んでしまうこともあります。スーパーボールやビー玉、大型犬ではゴルフボールを7個も飲み込んでしまって手術になった子も経験しています。

こんなふうに異物を食べてしまった時に活躍するのが内視鏡です。内視鏡を用いた異物摘出は外科手術を行うよりも短時間で済む事が多く、侵襲性も低いため動物にとってもよりより治療法です。

当院でも先日内視鏡の機械を導入致しました。今までは状況により開腹手術を実施したり他院をご紹介させて頂いたりしていましたが、当院でも内視鏡による異物の摘出ができるようになりました。

早速ですが、リボンを飲み込んでしまった猫ちゃんがいらっしゃいました。

まだまだ若くてヤンチャ盛りの猫ちゃんです。遊んでいるうちに15cmほどのリボンを飲み込んでしまったとのこと・・・。

以前に同じようにリボンを飲み込んでしまい他院で開腹手術をしたことがあるとの事でした。

今回は手術は避けたいと吐かせる処置をしましたが、リボンは出てこず・・・。超音波検査では腸にはリボンが流れている様子はなかったので、内視鏡で胃を観察することにしました。

幸い、内視鏡を入れてすぐの食道から胃にかけてリボンが見つかりました。超音波検査での所見通り、胃から先に進んでいる様子はなさそうでした。リボンの端っこを鉗子で掴んでゆっくりと引っ張り出すと、見事に20cm近いリボンが出てきました。リボン摘出後も胃内や食道を観察しましたが、傷ついたり血が出ている場所はありませんでした。

その後、麻酔から覚めた猫ちゃんは元気におうちに帰って行きました。

今回のようにリボンのようなヒモ状の異物は放っておくと腸に喰い込んだりして、腸の大部分を切除しなくてはいけなくなる事もあります。今回は発見が早くオーナー様の了承も得られたことから、早い段階で内視鏡検査を実施し無事にリボンを摘出することができました。そのまま様子を見ていたら、また開腹手術をすることになっていたでしょう・・・。

本当に良かったです。

異物の大きさや場所、症例の体の大きさなどにもよりますが、内視鏡での処置が可能だった場合は麻酔から覚めたら日帰りすることができます。もちろんお腹を切るわけではないのでエリザベスカラー等もつける必要は無く、帰宅後はいつも通りの生活を送ることができます。

いろんな面で開腹手術と比較して動物の負担の少ない治療になります。

とは言っても、もちろん異物は食べないに越したことはありません。日頃のしつけや環境改善をしっかりしてオーナーさん自身ができることをやってあげましょう。そしてもし何かを食べてしまった時には早めに獣医師に相談するように心がけましょう。

また、内視鏡は異物の摘出だけでなく検査にも使用できます。嘔吐や下痢などの慢性的な消化器症状があり、一般的な治療で改善しない場合は内視鏡による腸生検が必要なことがあります。病気をハッキリさせてピンポイントで治療をしていくことはとても重要なことです。もし慢性的な消化器症状にお悩みの方は一度ご相談ください。

 

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